2011年10月10日月曜日

(追補)オープン・イノベーションの進化 -オープン・イノベーション・マーケットプレースについて-

先日のエントリーで、製薬業界におけるオープン・イノベーションの進化について書き、各企業が自主的に行っているシーズや技術の公募制度をご紹介しました。(下記がその例)

アステラス製薬(株)>>a3(エーキューブ)
塩野義製薬(株)>>FINDS(シオノギ創薬イノベーションコンペ)
第一三共(株)>>TaNeDS(タネデス)


その時には拾いきれていなかったのですが、自前型の公募制度だけでなく、制度自体もオープンにした「オープン・イノベーション・マーケットプレース」なるものがあるということが、今月のハーバード・ビジネス・レビュー(2011年11月号)『「超分業」の時代』にて紹介されていました。

いわゆるイノベーションの仲介業的位置づけの事業者が増えており、イノベーションを外部に求める企業と課題解決を行う技術やシーズを持つ科学者・エンジニア・学生をマッチングするモデルのようです。
(記事では、企業のタスクの超分業化が進んでおり、イノベーションもその例外ではないといったニュアンスでの紹介でした)

上記の論文中には下記のようなケースが。
製薬会社のロシュは、自動化学分析器に通す臨床検体(人体から得られた被検査物)の量と質を測定する方法を探していた。そこで2008年、イノセンティブでコンテストを開催し、2ヵ月後に世界中の解決者から113件の提案書を受け取った。ロシュ・ダイアグノスティックスの技術管理担当ディレクター、トッド・ペディリオンは、そのなかにロシュが15年かけても辿り着けなかった画期的なソリューションに出くわして仰天した。

ちなみに、このイノセンティブは2001年に設立された世界初の「オープン・イノベーション・マーケットプレース」だそうです。こちらがそのサイトのお題リストです。かなり多くの募集があるようですね。

中には「がん細胞内で機能する分子ネットワークをモデル化する」といったお題もあり、なんと報酬は10万ドル(まあ当たり前の対価なのかもしれませんが)です!
NASAも幾つかアイデアや技術を募集していて、「シンプルな微小重力におけるランドリーシステム」なんて面白い募集もしています。

よくよく見ると、世の中でイノベーションが求められていることが俯瞰的に把握できるかも。。

0 件のコメント:

コメントを投稿